衛生公衆衛生学史こぼれ話
51.マスク
北 博正
1,2
1東京都環境科学研究所
2東京医科歯科大学
pp.541
発行日 1988年8月15日
Published Date 1988/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207751
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マスクは今日,冬の季題になっているといってもよいほど普及しているが,いつごろからこのようになったのだろうか? 医療関係者や患者が装用することはあったが,わが国のようにあまり関係のない人々がマスクをかける例はほかにはみられまい.
日本人がマスクをかける習慣を持つようになったのは,第一次世界大戦後(1918〜'20)のインフルエンザの汎流行の際で,その名のとおり世界的に多数の患者や死者が出た(当時この疾病をスペイン風邪といっていたが,スペインではイタリア風邪というと,スペインのある医師から聞いたことがある).
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