公衆衛生人国記
岩手県—ひたむきな人びと
角田 文男
1
Humio TSUNODA
1
1岩手医科大学医学部衛生公衆衛生学
pp.200-202
発行日 1988年3月15日
Published Date 1988/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207650
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四国四県ほど広い岩手県は,その3分の2を北上山系の寒冷高原で占められ,いつも寒さと冷害による飢えと貧しさに悩み,その上に医療施設の過疎も加わって病いに苦しめられた.岩手県の公衆衛生活動は,「住民の生命を守った村」の沢内村に象徴されるように,乳児死亡の改善と農村医療の改革に始まる.この活動には偉大な二人の先駆者があげられる.一人は医学者として実情を哀れみ立ち上がった根本四郎(1889-1966年)であり,もう一人は政治家として実情を憤り立ち上がった佐藤公一(1889-1961年)である.
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