特集 公衆衛生今後の方向
公衆衛生今後の課題
村江 通之
1
1鳥取大学医学部衛生学教室
pp.7-9
発行日 1963年1月15日
Published Date 1963/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202615
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敗戦後第一番に気がついたことは,日本人の社会には公衆衛生の常識が確立しておらず,その程度の非常に低いことであった。よって当局はいち早くアメリカ占領軍の専門家の指導のもとに,これが対策樹立へとふみきったのであった。そうしてあれからすでに17年目を迎えたのである。この間非常に遅々とはしておるが,敗戦当時に比較すれば,大きな進展を見たと申しても過言ではない。
しかし今日の日本の公衆衛生の確立状態は,世界の先進国と比較するに,あらゆる面でこれでよいというべきところまで来ておるものはない。この原因に関しては,甚だ大きな疑問を持たなければならぬ。
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