衛生公衆衛生学史こぼれ話
34.上水道水へのフッ化物添加
北 博正
1
1東京都環境科学研究所
pp.844
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207389
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さきに記したように,斑状歯は飲食物(主として飲用水)を通じて,フッ化物の過剰摂取によって発生することが明らかになった.ここまでは限定された地区に発生する小規模な地方病の原因をつきとめたというだけのことであるが,事は意外の方向に発展し,世界中から注目されることになった.
即ち斑状歯患者には齲蝕がみられないか極めて少ないこと,斑状歯地帯の住民に齲蝕がみられないか,みられてもごく僅かであるということである.つまりフッ化物には齲蝕の発生を阻止する作用があるということである.
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