日本列島
血液需要と献血対策
井口 恒男
1
1岐阜県衛生環境部
pp.789
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207375
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岐阜
全国的に血液の需要が高まっている中で,岐阜県においても供給力を高めるべく,献血運動が推進されている.献血目標本数は10年前の倍以上となっており,昭和60年度では12万本であるが,実績は60年度においては目標の95%にとどまった.献血率(本数対人口)は全国の7.2%に比べ5.5%と,47都道府県中ワースト3であり,当然県内の血液需要に対し供給不足の状況を来している.昭和60年度においては,献血のPRを兼ねた固定献血点として献血ルームを開設したが,その献血ルームに要員等が一部さかれたため,ペースダウンとなって目標本数に満たないこととなった.
岐阜県での献血者をみると,20代,30代を中心とし,16〜49歳で90%であるが,女性は30歳以上で半減し,男性の半数近くとなっている.献血時の不適格者は10%強みられるが,その半数は血液の低比重によるものであり,女性に多い.採血後に不合格となる内訳は肝機能障害,HB抗原,梅毒等であり,献血者数に対し6.8%となっている.前述の献血ルームは,岐阜市の繁華街である柳瀬の一角に60年10月12日にオープンし,毎日40〜50人の献血を実施している.献血車(バス)による場合は会社,学校など集団的な献血が多いが,献血ルームでは個人的小集団的なボランティアが多く年齢的にも10代,20代で3分の2を占め,また女性が55%を占めるなど,献血車とは異なった特徴がみられ,当初の目的のPRも十分な成果をあげているように思われる.
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