特集 医師会活動
当世健康教育論
小川 清
1
Kiyoshi OGAWA
1
1茨城県医師会
pp.185-189
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207226
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■情報の氾濫に溺れること
NHKの調査によると,いま日本人の一番好きな言葉は,「ありがとう」「健康」「思いやり」の順だという.「ありがとう」「思いやり」は世にも尊い希少価値であろうし,世界最高の平均寿命を獲得した日本人にとって,「丈夫で長生き」,とくに「丈夫で」というのは最高の価値観である.それだけに,売らんかなの商業活動の好餌となり,いわゆる健康情報の氾濫は目を覆うばかり.有名人の健康法など,普遍的な意味では怪しげなものまで喧伝されて,情報吸収に熱心な人々を混乱させている.時宜にかなった正しい保健知識を地道に直接伝えるのが,地域医療を担う医師達の役目であることを日増しに痛感する今日この頃である.そして,健康教育用の適切な講演内容や資料を載せた継続的な雑誌が欲しいというのも,多くの医師達の待望するところであろう.
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