特集 セルフケア
患者のセルフケア—難病患者対策を通して
藤岡 正信
1
Masanobu FUJIOKA
1
1愛知県衛生部保健予防課
pp.382-386
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207062
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■はじめに
わが国の難病対策は昭和47年に開始され,①調査研究の推進,②医療費自己負担の解消,および③医療施設の整備を3本の柱に対策が推進されてきた.現在までに原因も徐々に解明され,有効な治療法が確立してきた疾患もあるが,大部分の難病では,依然として経過は慢性であり,後遺症を残すなど予後は全般に不良である.このため,ひとたび難病に罹患すると,患者自身が長期の闘病生活を強いられるばかりでなく,介護などのため家族にも大きな負担がかかる.
一方,地域における対策は,難病が稀少な疾患で,病態が十分に解明されていないということもあり,医療の場で対応されることが多かった.しかしながら,家庭訪問等の機会に在宅難病患者に遭遇するようになったこと,また,従来培ってきた地域看護技術で対応が可能であることが明らかになり,難病患者の地域ケアが行われるようになった1,2).
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