特集 セルフケア
欧米におけるセルフ・ヘルプ・グループ—そのケアをめぐる考察
岡 知史
1
Tomofumi OKA
1
1大阪市立大学生活科学部社会福祉学研究室
pp.387-391
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207063
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■はじめに
まずセルフ・ヘルプ・グループ(以下SHGと略記)とは何かということを取り上げなくてはならない.日本でも「断酒会」をはじめとして,障害児の親の会や各種の患者会などさまざまなSHGが活動しているが,SHGという概念そのものについては,まだほとんど知られていないというのが実情であろう.
SHGの定義については,多くの研究者がさまざまなことを言っているが1),ここではBehrendt等の定義を参照したい.彼らはまず「自助連合(Selbsthilfe zusammemschlüsse)」を次のような五つの条件によって定義する.すなわち①メンバーが共通の問題を持ってかかわっていること,②組織に対する専門職の関与が皆無か,あっても僅かなものであること,③いわゆる「利益団体」ではないこと,④自己変革ないし社会変革という共通の目標が設定されていること,⑤メンバー各自が対等な立場で協力しあい助けあっていくことが強調されていることである.
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