特集 地域における精神保健
幼児の精神保健
栗栖 瑛子
1
Eiko KURISU
1
1東京大学医学部保健学科精神衛生学教室
pp.290-296
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207042
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■はじめに
地域の中で幼児の精神保健を行う目的は,(1)病気を軽いうちにみつけて早く治すための早期診断早期治療(第三次予防).(2)気付かれていない病気を早く見つけて治療する早期発見,発症予防(第二次予防).(3)病気の発生を予防する発生予防(第一次予防)の三つであろう.
これらの目的を達成するために,わが国では,昭和36年から児童福祉法によって(天富によれば,中脩三によって提唱されたということである),昭和41年からは母子保健法(12条)によって,3歳児健康診査が全国的に実施されるようになり,さらに乳児期の健診も行われてきている.とくに,昭和40年の精神衛生法改正以後,保健所が精神衛生業務を担当する第一線機関であることが明確となってから,乳幼児の精神衛生上の問題への取り組みが重視されるようになったと思われる.
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