講座 精神障害者福祉へのアプローチ・4
保健所精神衛生活動におけるボランティアの活用
坂庭 章二
1
Syoji SAKANIWA
1
1川崎市麻生保健所
pp.193-198
発行日 1985年3月15日
Published Date 1985/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207016
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■はじめに
毎月1回開催される,ある日の脳卒中リハビリ教室でのことである.午前11時30分頃になると,予接ホール(講堂)では,その準備が始まる.保健予防課の手の空いた職員が出そろって,3メートルものカーペットを運び,イスを並べて,その日のプログラムに合わせた会場づくりをすすめている.続いて,昼休み12時30分頃になると,庶務課と保健予防課の運転手が,各々保健婦同伴で出発する.教室に参加する人達の迎えである.
午後1時頃になると,杖を支えに黙々と歩いてくる人,家族が寄り添って肩を支えに歩いてくる人,やがて迎えの車も到着して,次第ににぎやかになってくる.会場の入口では,担当事務職と保健婦,そして福祉事務所の職員が一緒になってにこやかに迎えている.ゼッケンをつけて会場に入ると,1ヵ月ぶりの再会を喜び合い,近況を語り合うなごやかな雰囲気につつみこまれる.このような光景に混じって4名のボランティアは,事前に指示をうけた参加者にそっと寄り添い,語りかけ,トイレ等に手を差しのべている.
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