特集 公衆衛生の歴史的発展と将来展望
公衆衛生行政の現状と今後の課題
北川 定謙
1
Sadayoshi KITAGAWA
1
1厚生省(科学技術)
pp.10-16
発行日 1985年1月15日
Published Date 1985/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206976
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■はじめに
厚生省は59年4月,健康保険法改正案の国会審議の過程で,「今後の医療政策の基本的方向—21世紀をめざして—」と題する厚生省としての考えを公表した.公衆衛生行政の重要な課題は今後,この路線の上に展開されることになろう.
ここで,まず断っておかなければならないのは,59年7月の機構改革で,公衆衛生局の名称がなくなったことである.この点については後に言及することとするが,厚生省における理解は,「公衆衛生」とは,より上位の概念(憲法第25条参照)としてとらえ,21世紀へ向けての要請として,予防と医療の体系を,より密接なものとして,施策の展開がはかられるべきであるという基本的考え方に立っている.
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