特集 アメニティ・保健・福祉
地域福祉とアメニティ—難病患者の地域ケアを中心に
阪上 裕子
1
Hiroko SAKAGAMI
1
1国立公衆衛生院衛生行政学部
pp.511-515
発行日 1984年7月15日
Published Date 1984/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206895
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■はじめに
この特集テーマと趣旨を知ったとき,いままで漠然と考えていたことが明確な形で問題提起されており,非常にうれしかった.「このようなことばや考え方が,公衆衛生や医療の関係者に受け入れられるようになれば,保健・医療と福祉の統合が強力に推進され,難病患者や精神障害者が安心して生きられる条件が整えられるだろう」と感じたからである.
「アメニティ」という概念には,自然的・物的環境の快適性というハードな面と,社会的・人間的・精神的環境の快適性というソフトな面との二つの面が含まれているが,ここでは,地域社会でノーマルな生活を続けたいと望んでいる難治性疾患患者・障害者にとって快適な,社会的・人間的・精神的環境の条件はなにかというソフトな面を中心に,ソーシャルワーカーとしての最近の体験のなかで考えたことをいくつか述べてみよう.
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