特集 地域保健医療計画
西独における地域医療計画について
加藤 信世
1
Nobuyo KATO
1
1東京女子医科大学公衆衛生学教室
pp.425-433
発行日 1984年6月15日
Published Date 1984/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206879
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■本計画の沿革—1972年以前の病院経営—
西独においては1970年(昭和45年)頃,約3,500の病院があったが,その70%は国公立で,経営状態の良否,特に財政状態の良否は自治体の財政に直接影響する.ところが,第二次大戦後の人件費増加,施設費の膨張は病院の独立採算制を不可能とした.即ち,近代化された病院では,人件費の面では医師以外の専門医療従事者を相当数必要とし,また施設費の面では高額医療機器の導入を必要とし,これらに多額の経費を費さねばならなくなった.その結果,1966年(昭和41年)には,全病院で年間の欠損が8億4,000万マルク(約800億円)となり,病院庁舎の約半数近くは建築後50〜70年を経る老朽病院であった1).
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