海外の学会から
ホルモン・薬物の酵素イムノアッセイの国際シンポジウム(西独)
辻 章夫
1
1昭和大学薬学部
pp.1230
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914923
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7月10,11日の2日間西独のドナウ河沿いの緑に囲まれた美しいUlmの町の郊外にあるUlm大学において,表記の国際学会が開催された.ヨーロッパ各国はじめ米国,カナダ,インド,イスラエル,日本などから約300人の研究者が参加した.演題は36で,いずれも20分の講演で特別講演はなかった.エンザイムイムノアッセイ(EIA)が研究され始めてから数年になるが,はじめは感度も精度も悪く,ラジオイムノアッセイ(RIA)に代わる技術となりうるかどうか疑問視されていたが,本シンポジウムではEIAがホルモンや薬物の微量分析法としての地位を完全に確立したことが示された.
我が国でも使用され始めたSyvaのHomogeneousEIAについて幾多の臨床例が報告され,Dr.SnyderによりT4からT3,更にステロイド(コーチゾール,エストリオールなど)のHomogeneous EIAの開発が進んでいることが報告された.新しいHomogeneous EIAとして,MilesとWeizman研究所のグループにより,補酵素を用い酵素サイクリング法によるEIAが発表された.また,Milesのグループはβ-ガラクトース-螢光色素-ハプテン結合体を用い,抗体がハプテンに結合すると酵素によるガラクトースと螢光色素の水解が阻害されることに基づく新しい方式を発表した.
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