特集 住民参加と市町村保健
保健所の住民参加推進への方策
大月 邦夫
1
Kunio OTSUKI
1
1群馬県藤岡保健所
pp.717-723
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206780
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■はじめに
本年2月施行された老人保健法は,「国民は自助と連帯の精神に基づき,自ら加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して健康の保持・増進に努めるとともに,老人の医療に要する費用を公平に負担するものとする.」(法第2条)とその基本的理念を明示している.つまり本格的な高齢化社会に対応すべく,成人病予防をはじめ積極的な健康づくりを推進していくためには,地域社会と個人の可能なかぎりの自助努力が必要不可欠であり,地域保健活動のあらゆる段階における「住民参加」の重要性をあらためて強調しているものといえよう.
地域における保健問題の解決と保健水準の向上を志向する地域保健活動を推進していくための重要な要素は,①住民の主体的参加,②専門家のプロフェッショナル・リーダーシップ,③公の責任による条件整備,の3者であるとされている1).当地域(県西南部の農山村,1市4町2村,人口10.7万人)の保健活動は,なお行政主導型の域を脱しておらず,本企画の期待を裏切ることを懸念しつつ,健康づくりを中心とした保健活動例を紹介するなかで「住民参加」の方策(可能性)を模索してみることとする.
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