研究
循環器健診における血清脂質—スクリーニングレベルと食事の影響
岡本 祥成
1
Yoshinari OKAMOTO
1
1岐阜大学医学部公衆衛生学教室
pp.463-465
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206728
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岐阜県の中央部に位置するM町は,27.36 km2,人口6,604人(昭和55年)で,零細農業地域であると同時に,縫製・刃物・鋳物・木工等の零細企業・家内労働の多い地域である1).
かかる地域で毎年夏に,S保健所の協力を得て,住民の循環器健診(以下住健と略す)を実施している.そして,昭和54年から試行的に,第1次住健に血清脂質—総コレステロール(以下T. Cと略す),中性脂肪(以下T. Gと略す),HDL-コレステロール—の測定を導入した.住健の受診者のうち,採血対象者を中高年齢者に限定して行なわれたわけだが,採血予定者は千名を越える数となった.従って,採血予定者全員が完全空腹で採血に応じることはきわめて困難であり,摂食による測定値への影響が,スクリーニングレベルの変動をもたらせたり,集団の評価を困難にすることは容易に考えられる.そこで,血清脂質の測定値の評価に関する基礎的考察を加えるべく調査を行なった.そのうち今回は,T. CとT. Gについて報告する.
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