調査報告
地域保健研究—1.血圧値を指標としてその効果について
宮田 昭吾
1
,
平良 専純
1
,
牧野 茂徳
1
Shogo MIYATA
1
,
Senjun TAIRA
1
,
Shigenori MAKINO
1
1岐阜大学医学部衛生学教室
pp.716-719
発行日 1982年10月15日
Published Date 1982/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206602
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岐阜県東白川村を研究の場として,昭和44年以来地域保健研究を行ってきた.研究の方向として,住民を如何に健康にするかが目標であるが,そこに至る過程で血圧管理,糖尿病管理等を通じて,住民への健康教育が,種々な形で行われてきた.今回はその中で地域で最も重要な課題であり,住民の関心も高かった,高血圧予防を目的とした血圧管理の状況について報告する.
東白川村は,岐阜県のほぼ中央に位置し,村内を流れる溪流に沿った東西16km,南北11kmで,溪流に沿って村落が点在しているが,村の大部分は山林が占めている.昭和55年の国勢調査によれば,人口3,764人(男1,807人,女1,957人)の過疎の村であるが,現在では人口流出も停滞し,ほぼ横ばいの状況である.総面積8,700ha,うち山林は4,800 haと村の70%を占め,農林業を主体とした兼務が多く,最近では,製茶等も盛んになってきた.気温は平均25℃と涼しく,冬期には0℃以下の時も多く,県下の典型的な山村である.
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