講座 公衆衛生学の最近の進歩・7
食品衛生・国民栄養
藤原 喜久夫
1
Kikuo FUJIWARA
1
1筑波大学(社会医学系)環境医学
pp.574-582
発行日 1981年7月15日
Published Date 1981/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206353
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■はじめに
食品衛生学の領域における最近の進歩としては,新種の食中毒病因物質に関するものと,既知の病原体の発症機構解明に顕著なものが認められるが,特にそれらの産生する毒素の作用機序の研究は,各毒素の精製が進むにつれて精細となり,多くの興味ある知見が得られている.他方,わが国の栄養関係の近来の話題として,視床下部性肥満に関する実験の報告があり,この種の肥満の発生機序がかなり明らかにされた.また最近,食物繊維の生理的意義に関して世界的な関心を持たれるようになり,特に糖尿病などの予防上からも種々検討されている.これらの諸点について,以下に順を追って概説しよう.
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