発言あり
"健康自己責任"論
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pp.185-187
発行日 1981年3月15日
Published Date 1981/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206265
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個人の努力の限度の内と外
「自分の健康は自分で守ろう」という考え方,これは誰が何といおうと大切なことだと思う.ただし,行政側の人間としてこれを強調すると,「役所の責任逃れだ」というご意見があることも承知している.だから,ここでは,一人の市民としてもこの考えであることをはっきりさせておきたい.
行政側の人間がこんないい方をすれば,今度は詭弁だとおっしゃる方がいるかもしれないが,個々の国民に健康を守るための最低条件を現在の国家がどれだけ保証しているか,つまり日本国憲法第25条に明記された「国はすべての生活部面について社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」という条文を現在の国がどれだけ実行しているかといえば,残念ながら百点はやれないという現実に立って,それなら国民の一人一人としては,ささやかながら自衛のためにも「自分の健康は自分で守らざるを得ないではないか」と考えるのである.
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