特集 人畜共通伝染病
動物検疫からみた人畜共通伝染病の実態
千田 英一
1
Eiichi SENDA
1
1農林水産省動物検疫所検疫部
pp.385-393
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206098
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
動物検疫は,海外からの家畜の伝染性疾病の侵入を防止することにより,わが国の畜産経営の安定を図り,畜産の振興に寄与することを目的としているが,この目的のためには,家畜の伝染性疾病に汚染しているおそれがあると考えられる家畜に類する動物,およびその産物,つまり畜産物の検査を主体的に実施することになる.一方,これらに対応してわが国からの輸出により,諸外国に家畜の伝染性疾病を広げることがないように,動物,畜産物,その他のものの輸出検査を行ない,わが国の国際信用を高め,究極的にはわが国の畜産の振興に寄与することも目的としている.これらの検査は,法的には家畜伝染病予防法に基づくものである.また,狂犬病予防法に基づき,輸出入犬についての狂犬病感染の有無の検査を行なうことも,わが国の動物検疫の主要な業務となっている.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.