発言あり
徳洲会病院
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pp.601-603
発行日 1979年9月15日
Published Date 1979/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205915
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実践を基盤にした啓蒙運動に賛意
医師になることに,どのような動機が働いたにせよ,医学徒は医学教育を受ける過程で,医師という職分が,人間とその社会に対して,いかに計りしれない大きな役割を与えられているかについて学びとり,恐れおののく一時期がある.
なかでも,昭和40年前後に医学校を卒業した私たちの世代は,医学教育制度,医学界,医療制度の全体像に早々と前近代的性格をかぎつける時代的混乱を経験して,なお一層,人間と社会に対して,良き医師になることへの情熱をかきたてられる度合が強かったのではなかろうか.しかし,卒後10年余を経過してみて,多くの者は,個々の専門領域であるいは秀でた業績をあげえてはいても,旧体制にどっぷり呑みこまれた姿勢の中で,医師修業をしているように思える.これは何も,彼らがすぐれた医学・医療実践をしていないというのではなく,現行の医療体系の改善にさほど刺激的にはなりえてないように思えるということである.
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