特集 学校保健の実際
学校内外の環境問題
平木 陽一
1
1日本学校薬剤師会
pp.241-246
発行日 1979年4月15日
Published Date 1979/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205814
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■はじめに
学校環境衛生の目的は,児童・生徒の健康の保持増進と学習能率に悪影響を及ぼすおそれのある環境条件を整備することにある.しかし,近代社会において学校の環境問題は,単に学校内整備によってその目的が達せられるわけではなく,学校を取り巻く環境(学校外環境)に大きく影響されるようになった.
これまで学校設置上の条件は「地域の児童生徒の分布を考慮し,その重心的な位置で通学のための距離や時間はあまり疲労しない程度」1)とされていた.したがって,学校はその地域の中心的な,比較的道路の集中する地帯に所在する傾向にあった2).そのために,例えば,交通公害による地域環境の悪化が必然的に学校に波及することとなり,学校の環境問題は地域と切り離しては考えられなくなった.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.