特集 学校保健の実際
保健教育と組織活動
箕輪 真一
1,2
1高崎市中居小学校
2群馬大学・公衆衛生学
pp.234-240
発行日 1979年4月15日
Published Date 1979/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205813
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■はじめに
学校教育の目的が,自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成にあるとするならば,学校教育の中の保健教育は重要な位置にあるべきである.しかし,現行の学校においては他教科の谷間にあって,将来の社会生活において必要でしかも期待される保健行動(保健的行動力)の育成のための保健指導も,甚だ弱体である,というほかはない.こうした"保健教育の軽視"は多くの識者が指摘しているが,学校保健に直接携わる現場のわれわれ校医も常にこのことを痛感し,苦悩しているわけである.
筆者は校医になってまだ10年しかたっていないが,この間,高崎市(人口22万,小学校27校,中学校13校)の学校保健会や校医会の役職にあった関係で,当市の最大規模のT中学校,新設のO小学校,N小学校などの校医を引き続き担当してきた.さらには,市・県・全国レベルの学校保健に関する学会,研究会,協議会などに出席する機会も多かった.こうした経験をふまえた上で,あくまで現場の校医の立場から頭書の標題について述べてみたい.
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