日本列島
長野県乳房検診の現況
藤島 弘道
1
1長野県衛生部保健予防課
pp.639
発行日 1985年9月15日
Published Date 1985/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207117
- 有料閲覧
- 文献概要
長野
長野県で乳癌の集団検診をはじめて5年目を迎える.今度55〜58年の結果がまとめられた.県が成人病予防協会に委託し行っている事業であるが,検診方式は検診車による出張検診で,日本対癌協会の標準方式に超音波検査を加えている.1日の検診人数は午後半日で100人〜120人とし,原則として2名の検診医があたる.1次検診は医師による乳房の診察と保健婦による自己検診法の教育が2本柱である.検診医師は視・触診を行い,イ 明らかに悪性と考えられる,ロ 悪性の疑いあるが,触診だけでは決めかねる,ハ どちらかといえば良性と考えられる,ニ 今のところ異常なし,の4段階に分け,イロハのものには超音波検査を受けさせる.超音波断層撮影は5mm間隔で35mmフィルム9枚の連続撮影及び腫瘤中心付近のポラロイド撮影を行う.検診医は,ポラロイド写真を参考にして精検を要す者を決定する.更に乳頭に異常分泌ある者は全員要精検となる.長野県では精密検査機関として特定の施設を指定していないが,穿刺吸引細胞診あるいは生検を含めた診断ができ,自己施設内で手術ができる医療機関が適切であると指導している.成人病予防協会では検診受診者名簿から乳癌症例を抽出し,保健婦の家庭訪問で,乳房集団検診発見乳癌患者調査票を提出させ,乳癌症例を把握している.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.