日本列島
長野県の健康問題懇談会
川久保 育男
1
1長野県松本保健所
pp.130
発行日 1977年2月15日
Published Date 1977/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205339
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本年度,県に健康問題懇談会なるものが発足し,健康問題についてこれからどう対処すべきかということを研究し,行政に反映させて行くことになった.このことについては既に数年前,本県保健所長会として健康基本法の制定を唱え,案まで作って全国保健所長会総会に提出したが,当時はまだ機熟せず採択に至らなかった.しかし,ようやく県もこの問題に取組む姿勢を示したのである.
また2年前,健康増進センターが本県にもできて,健康問題に対する関心が高くなり,センターの運営上からも必要となったのである.そこでまず,信州大学,県医師会,県衛生部,健康増進センター,保健所からなる委員会を作り,健康についてフリートーキングの形で始まったのである.回を重ねること数回にして,ようやく本格的に本筋に入り,この11月の委員会では,人間の一生を通じての健康管理という側面から,胎生期から始まり如何にして異常児の出産を防ぐかということについて,専門家の意見を聞いて行われたが,妊婦となる以前に十分正しい衛生教育をしておくことが必要であり,遺伝性のものが多い現況からも,優生結婚の指導や,特に妊娠初期における指導とか,分娩時における注意などに論議が集中した.また未熟児を如何にして減少させるか,異常児の早期発見,早期指導等が必要である点に,意見が強かったのである.
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