特集 脳卒中予防教育
地域ぐるみの予防活動
(2)住民参加の脳卒中予防活動
吉沢 国雄
1,2
1浅間総合病院
2佐久市健康管理センター
pp.117-121
発行日 1978年2月15日
Published Date 1978/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205562
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はじめに
脳卒中予防対策の重点としては,第1に動脈硬化症発症予防のための衣食住の改善があり,第二に高血圧管理があろう.いずれも単なる啓蒙教育や保健指導のみに終わることなく,徹底した正しい実践が必要であることは論をまたない.ところで,長野県の脳卒中死亡率は戦後次第に増加して,昭和34年度に不名誉な日本一となって以来10年余にわたり日本最高位を占め,昭和49年第2位,50年第3位とやや下降しつつあるが,なお高位にあることは周知の事実である.したがって,県下の保健衛生関係者にとって,この予防対策の樹立は焦眉の急務であったし,現在もこれに腐心しつつある.
筆者は昭和34年に当時の浅間町,現在の佐久市に新設された国保病院に赴任したが,当時,当地の脳卒中死亡率は県内でも最高位(人口10万対336.3)を示しており,国保の保健施設として国保法第82条により,住民の保険給付(診療)と健康保持増進を目的として設置された病院の使命としては,その業務の一半の目標をまず脳卒中死亡率の減少とその予防対策の樹立ならびに実践に置くことが強く要請された.その実践の過程で多くの試行錯誤が繰り返されたが,同時に多くの貴重な体験も得られた.
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