今月の本
加藤 正明 著『社会と精神病理』—環境と個人との間の精神医学的問題を体験を介して,追究,解析する
岡上 和雄
1
1川崎心身障害総合センター
pp.300
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205374
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今世紀の再度にわたる大戦は,広範な人々に特殊な生き方を強制し,そにかしこで極限状況をもたらしたが故に「人間とは何か」という古き問いをなまなましく再生させた.精神医学に及ぼしたインパクトもまた格別なものがあり,今日の社会精神医学の位置もこの"ふし目"を抜いては考えにくい.
人も知る国際人である著者は,この分野においても著明な碩学であり,すぐれたオピニオン・リーダーである.昨今,わが国でもかなり普遍化したことばとなった地域精神医学,デイ・ケアの概念の導入,実践のパイオニアであったことも,周知のことであろう.
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