特集 プライマリー・ケア
西欧におけるプライマリー・ケア—イギリスを中心として
姉崎 正平
1
1(厚生省)病院管理研究所
pp.260-265
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205364
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はじめに
筆者に与えられた論題は,「西欧諸国のプライマリー・ケア」である.しかし,一口に西欧諸国といっても多くの国々があり,ヘルス・サービスの形態にもちがいがある.一括して論ずるのは容易でない.そこで,筆者の見聞の限界および資本主義発達の歴史と医療社会化の歴史が長いイギリスを中心に,わが国の今後のヘルス・プランニングをも念頭におきつつ論じてみたい,
概していえば,西欧においても,プライマリー・ヘルス・ケアは理想の域には達しているとはいえず,間題点をもっている.むしろそれらの間題点から学ぶべきかと思われる.ただ,スウェーデンの地方自治体を中心とした保健・医療サービスと,1974年におけるイギリスの国民保健事業の地域保健・医療サービスの統合化を中心とした改革の結果は注目される.特に両国に特徴的なのは,グループ・プラクティスないしチーム医療による地域社会でのプライマリー・ケアの拠点としてのヘルス・センター*1)の普及である.
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