特集 第17回社会医学研究会報告記録
職業病,薬害,公害などに関する問題について(演題33〜38)
山田 信也
1
,
牧野 忠康
2
,
阿比 留幸子
3
,
原口 良子
3
,
真角 欣一
3
,
梅田 玄勝
4
,
南雲 清
5
,
尾沢 彰宣
6
,
片平 洌彦
7
1名古屋大学・衛生学
2箱崎町診療所
3健和総合病院
4北九州公害研究所
5荒川生協病院
6川崎幸病院・東京医科歯科大学難治疾患研究所
7東京医科歯科大学難治疾患研究所
pp.873-880
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205311
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はじめに
今回の研究会は,保健所,地域保健事業をめぐる問題が中心テーマとしてとりあげられたために,職業病,公害,薬害などに関するテーマが,一括分類される数の範囲にとどまった.すなわち,職業病関係1題,公害関係3題,薬害関係1題である.これに,早産児の網膜症の医療をめぐる問題が1題つけ加えられて,筆者が座長として担当することとなった.これらの演題についてここにまとめて論ずることは,それぞれの演題の内容からみてむつかしい感じがする.
しかし,あえていうならば,いずれもが,労働者,地域住民,患者など,被害をうけた人たちの自主的な取り組みを背景とした問題提起を含んでいることである.演題33の牧野の提起は,制度の批判であり,労働者の現実の取り組みの実際にはあまりふれていないのが,他の演題とやや角度の異なる分析であるが,大きくみれば,こう解釈してもよいだろう.以下,それぞれについて内容を紹介しよう.
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