住民教室
保健所における断酒学級—5ヵ年の体験から
増田 陸郎
1
1東京都目黒区保健衛生部
pp.724-732
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205285
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□はじめに□
私が1969年に地域精神衛生を主題にアメリカ各地を訪れた時,いたるところで聞かれたことは「日本ではアル中はどうか」ということであった.当時アメリカではアル中は500〜600万人といわれていた.これは日本でも大変なことになるぞ,という印象を受けて帰国したが,帰来資料を整理しているうちに,ケンタッキーの田舎の精神衛生センターでいただいた小冊子"Youth and the Alcoholic Patient"を読んだ時,電撃的なショックを受けたことを覚えている.
それには,アルコール中毒者は病気の犠牲者であり,精神的にいかに苦しんでいるか,父親がいかにぐうたらでも子供は父親に対する誇り,愛情と尊敬を失ってはならないこと,アル中は一生治らないが,飲酒をやめることは可能であること,等々が書かれていた.
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