特集 ライフサイクルと地域保健
地域保健とライフサイクル
山下 章
1
1東京医科大学衛生学公衆衛生学教室
pp.670-673
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205276
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はじめに
第1次産業を主とした古い時代の生活においては,生まれてから死ぬまで,ひとつの地域に深いかかわりあいを持ち続けるのが通常であった.しかし,第2次産業・第3次産業を主体とする新しい生活のもとでは,産業の場と生活の場とが一致していないために,一生のあいだひとつの地域に定住する必然性はなく,ために複数の地域を転々としながら人生の過程を経てゆく者が少なくない.しかも,出生から死亡に至る段階によって地域との関連にはかなりの濃淡がある.このようなことをふまえながら,地域における保健活動が人びとのライフサイクルにどうからみあっているのか,いかなる作用をすべきなのか,などについていささか整理してみることにする.
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