講座
地域保健の組織化をめぐる基本的問題—医療社会学的アプローチを中心に
佐久間 淳
1
1帝京大学医療社会学
pp.313-319
発行日 1975年5月15日
Published Date 1975/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205010
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1.まえがき
この小稿は,東京都東村山市におけるねたきり老人調査1)(昭和46年以来訪問看護実施)への参画や「沖縄の医療と福祉」2),および日本看護協会の「地域看護・訪問看護の需要および問題点」(仮題),千葉県習志野市「市民健康推進協議会」などに参加しながら肌に感じたものを述べようとするものである.
一般に地域保健という概念が広範囲な領域をもって用いられているにもかかわらず,あえて「地域保健福祉」をテーマとすることは,上述した経緯のなかで,この両者は一体的なものであり,相互補完的性格すら含有している,と感じたからである.たとえば,ねたきり老人の訪問看護でも,在宅の心身障害者の対策でも,両者は決して切り離しては考えられないことが,実際にケースを手がけてみるとすぐにわかるのである.次に問題にしたいことは,私がどこでも最も注意を払っていることが,地域医師会の先生方に"失礼"のないようにすることであり,いかにして理解と協力を得ようとするか,におかれている事実についてである.
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