特集 自殺予防
地域保健における自殺予防へのアプローチ
平野 かよ子
1
,
山田 和子
1
,
島田 美喜
2,3
,
鳩野 洋子
1
,
奥田 博子
1
1国立保健医療科学院公衆衛生看護部
2厚生労働省老健局老人保健課
3前国立保健医療科学院公衆衛生看護部
pp.664-666
発行日 2003年9月1日
Published Date 2003/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100941
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
わが国の自殺による死亡数は平成10年に初めて3万人を超え,その後ほぼ横ばいの状態にある.近年の自殺は中高年の男性労働者が急増しているという特徴があり,これらの背景には,長引く経済不況とそれに伴うリストラや配置転換によるストレスがあると言われている1,2).また,自殺防止対策有識者懇談会報告「自殺予防に向けての提言」においては,予防対策として「早期発見を含むうつ病等への対策と,心の健康問題に関する正しい知識の国民への普及・啓発を同時に行うことが,より充実した自殺予防対策となる」4)とされ,地域保健においても自殺予防対策の推進が期待されている.
これまで地域保健における自殺予防対策としては,本特集内でも執筆されている新潟県松之山町の活動が先進的であるが,地域での自殺予防対策は試行錯誤しながら,あるいは先進地の活動に学びながら,活動を展開されているのが現状である.そこで,筆者らは平成14年度に,自殺予防を目的とした保健活動を行っている市町村と保健所を視察し,そこで得た情報をもとに地域における自殺予防対策の構造化を試みたので,それを紹介したい.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.