研究
一山間農村地帯の医療圏について—受診機関の分布と受診距離
佐藤 千春
1
1桐生保健所
pp.245-251
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204992
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今ここに取り上げる調査地域の3村は,桐生市(人口10万対医師数116.9 歯科医師46.6)および大間々町(同医師75.3 歯科医師32.9)をその生活圏の中心に持ち,このうち黒保根村(同医師0 歯科医師0)を除く新里村は,医師4名(同医師39.4 歯科医師0),東村もまた医師4名(同医師80.5 歯科医師0)を有し,この地域全体の人口10万対から見れば医師104.0 歯科医師40.0となり,全国平均の,医師116.7 歯科医師37.5(昭和47年)に比して医療供給の著しく悪い地域とは云い難く,広大な山野や海上の離島に弧立する無医村に比すべくもない.にもかかわらず,医療機関の所在地と散在する部落との距離,あるいは専門科系の偏在によって,住民は医療供給の面で並々ならぬハンディキャップを負うており,これが我が国の一般的山間農村のパターンを示すものと思われる.
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