特集 くすりと健康
諸外国の医薬分業と地域保健
水野 睦郎
1
1東京薬科大学
pp.91-95
発行日 1975年2月15日
Published Date 1975/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204957
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昨年来の医薬分業気運
昭和48年2月,短波放送を通じて武見医師会長は今後5年のうちに医薬分業を実施しようと,薬剤師に対して提言した.その後,8月に開催された中央医療協議会で医師の診療報酬の改訂について審議が行なわれたが,その際に,医師が処方箋を書く報酬である処方箋料を大幅に増額して,1回当り500円とすることとなり,10月1日より実施された.
これまで医薬分業は薬剤師が主張し,医師側が反対し続けていたものだけに,この提言の裏に何か罠でもあるのではないか,と疑うなど,医師会長の真意をはかりかねる者のある一方,明治時代からの長年の悲願である医薬分業の達成の日は近いと単純に喜ぶ薬剤師もあり,かなりの混乱があった.
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