特別連載
沖縄の医療事情(2)—介輔制度とその背景
田中 恒男
1
1東京大学医学部保健学科保健管理学教室
pp.716-720
発行日 1972年11月15日
Published Date 1972/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204580
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沖縄の住民が,戦後1/4世紀にわたる米統治下において,主体的に獲得し得なかった社会的要素の一つに医療があることは,前回の指摘ですでに明らかである.統治主体であった米民政府(USCAR:United States Cival Administration of the Ryukus)は,琉球行政府をして琉球政府認定による医師検定試験を通じて医師を養成し,政府立中部病院(石川市)に,ハワイ大学からの派遣医師を中心とした卒後研修計画を実施した他,physician assistantより許容枠をひろげた医師介輔および歯科医師介輔制度を整備して,一般医療の不足を補うこととした4)5).これらについても,現象自体はすでにふれたところである.
本稿では該制度の出発とその特質について考えて見たい.
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