人にみる公衆衛生の歴史・19
社会医学研究会の活動家2.小宮義孝(1900〜)—「よろけ」より寄生虫予防へ
川上 武
1
,
上林 茂暢
1
1杉並組合病院内科
pp.714-715
発行日 1972年11月15日
Published Date 1972/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204579
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東大社会医学研究会の代表的な調査活動として,今日,「医療の社会化」,「よろけ」がのこされている.「よろけ」は,表むき全日本鉱夫総連合会,産業労働調査所共著のかたちをとっているが,実際に調査・執筆したのは小宮義孝である.そして,これは小宮が社会医学研究会をつくっていく過程でうまれてきたといえる.
1921年,旧制一高を卒業し東京帝大医学部に入学した小宮は新人会の活動に大きな関心をよせた.みずから新人会に入るとともに,医学部のなかにも社会科学的なサークルをつくることを考えた.彼のよびかけにこたえて勝木新次,近藤忠雄のちに曽田長宗のあいだで計画がたてられることになる.
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