人にみる公衆衛生の歴史・20
社会医学研究会の活動家3.小宮山新一(1905〜67)—地域保健の先駆者
川上 武
1
,
上林 茂暢
1
1杉並組合病院内科
pp.48-49
発行日 1973年1月15日
Published Date 1973/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204604
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医療制度のゆきづまりを打開するものとして地域保健が叫ばれるようになってきたが,その内容となるとあいまいである.治療,予防,リハビリなどの分野をいかなる原則で結合させるのかは明らかではない.
そのなかの予防をとってみると,治療偏重のなかでたえず軽視されてきた.とりあげられる場合にも戦前は軍事的要請が先行したために,予防は住民の関心をひくことなくおわった.しかし,終局的には体制運動の一環をになわせられたにせよ,困難な状況のなかで住民の側にたとうとする保健関係者の努力がうまれてきていたことも事実である.ここではその一人として,小宮山新一の生涯をとりあげてみよう.
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