研究
医師の移動状況—北海道に従業地を有する医師
西 三郎
1
1国立公衆衛生院衛生行政学部
pp.133-137
発行日 1972年2月15日
Published Date 1972/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204431
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わが国の公衆衛生の向上および増進のために保健医療従事者の役割は今後ますます大きくなり,さらにその需給計画の策定の重要性も高まっている.保健医療従事者のなかでも医師については,その不足について数多くの報告がなされ,また国として,医科大学または大学医学部の新設を認めるなど,ようやく医師不足対策に向けて動きだしてきた.しかし,それら医師養成の新大学は,その多くが私立系であり,また医師の移動についての実態も必ずしも十分には明らかにされてはいないなど,医師不足対策について今後に多くの課題が残されているといえよう.このような医師不足の現状に対して,医師の移動状況の実態を明らかにし,計画策定の資料に資する目的で本研究を行なった.なお,医師の個別的移動に関し,横浜市立大学医学部卒業生の追跡調査を行なった古屋野らの報告(教育社会学研究23集,43〜59頁,1968)が見られるが,いまだその数も多くはない.さいわい厚生省科学研究費補助を受け,厚生省医師調査の資料に基づいて分析をする機会を得,個別的に医師の移動について追跡を行なったので報告する.なお今回の報告は,北海道に従業地を有する医師に関し昭和40年12月末日現在および昭和41年12月末日現在の資料に限った.
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