人にみる公衆衛生の歴史・10
福原 義柄(1875〜1927)—社会衛生学の移植
川上 武
1
,
上林 茂暢
1
1杉並組合病院内科
pp.122-123
発行日 1972年2月15日
Published Date 1972/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204427
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日本の衛生学は,社会衛生学・社会医学と自らの関係を本格的に検討したことがなかった.社会衛生学と社会医学の異同は別に論じるとして,これらの学問をどううけとめるかは衛生学の発達のうえで欠くことのできない重要な課題である.この点をあいまいにしてきたために,戦後アメリカ医学の導入とともに公衆衛生学が衛生学より分離されたものの,その概念・方法は中途半端といわざるをえない.
もちろん社会衛生学といってもその性格は多様で,同じ言葉ですべてを包含するには無理がある.ここでは,福原義柄を介して紹介された社会衛生学の内容をふりかえってみたい.
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