教室めぐり・28 東京慈恵医大公衆衛生学教室
ガンの実験疫学をめざして
竹村 望
pp.693
発行日 1971年11月15日
Published Date 1971/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204378
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昭和21年文部省は,各大学医学部に公衆衛生学講座を設置する方針を決めたが,当教室も全国の医科大学に卒先して公衆衛生学講座を新設することになり,当時厚生技宮の山岸精実博士を初代教授に迎えて本邦最初の独立した公衆衛生学教室が昭和22年2月に誕生した.
教室開設当時は法医学教室の一室を借用し,実験設備もなかったのでもっぱら計算器を用いて伝染病疫学に関する統計学的研究が行なわれた.これは山岸教授が伝研時代に行なっていた研究の発展で,わが国の伝染病流行の趨勢変化についての研究が行なわれた.昭和23年10月に解剖学教室の一部をゆずりうけて現在の教室に移った.その後,山岸教授のもとで伝染病の疫学統計のほかに,成入病に関する疫学統計の研究とさらに産業医学に関する研究,とくに珪肺や鉛中毒に関する研究も行なわれた.
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