特集 重症心身障害
重症心身障害児療育の諸問題
江草 安彦
1
,
末光 茂
1
,
蒔田 信一
1
,
植田 牧子
1
1旭川児童院
pp.656-664
発行日 1971年11月15日
Published Date 1971/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204369
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心身障害児対策のながれ
わが国の心身障害児施設は,石井亮一による滝乃川学園(明治24年)および高木憲次による整肢療護園(大正14年)にはじまるが,その公的対策は戦後にまたねばならなかった.昭和22年学校教育法および児童福祉法,昭和24年身体障害者福祉法,昭和35年精神薄弱者福祉法などの制定ののちに,肢体不自由児施設,精神薄弱児施設,特殊学級,養護学校などが充実し,一応の成果をみた.
しかし,その間重症障害児,重複障害児,幼若障害児などは,これらの施設から排除され,「谷間」にとりのこされてきたのが実情であった.昭和30年,これらの障害児の両親によって「両親の集い」が結成され,法的対策を求める運動が開始された.
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