特集 第10回社会医学研究会
自由集会(世話人まとめ)
職業病をどうして掘りおこすか
原 一郎
pp.687
発行日 1969年12月15日
Published Date 1969/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203991
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約25名が参加して,細川(関西医大),川森(群馬大)を司会者として会が進められた.はじめに,原(大阪府公衛研)が,【イ】職業病が埋もれている理由,【ロ】医療機関における職業病診断態勢1),【ハ】職業病の堀りおこしに関係する諸機関の役割と関係について総括的な話題提供を行なった.
ついで,【ハ】に関連する最近の特長的な活動経験が報告された.まず"大学における労働衛生相談活動"として,7年前に名大病院の医療社会事業部の一部として発足した名大の近況が報告された(名大,松本).相談件数は年平均約50で,若い臨床医からの紹介,労組の支援の増加の傾向があり,相談内容が教室の研究テーマへ発展した例もある.しかし,措置が十分に行なえない事例も多く,最近は相談室としての活動は停滞している.その打開のためには,職業病クリニック(病院の一部に)と,大学付属の職業病研究施設をつくることが検討されている.
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