特別連載
米国における保健医療体系の苦悩ならびに医師・歯科医師・看護婦の深刻な不足とその対策
館 正知
1
,
石戸 利貞
2
,
高橋 英勝
3
1岐阜大・公衆衛生
2岐阜県衛生部
3岐阜県郡上保健所予防課
pp.583-586
発行日 1969年10月15日
Published Date 1969/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203964
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(V)相互審査によって,専門技術行為に責任を持つこと 医学的情報を手に入れやすくすること,および継続教育を受けやすくすることは,可能性のある診療(potential care)と,実際の診療(actual care)との間のギャップを埋める有効な措置ではあるが,専門技術活動が最新の標準に即して行なわれるということを保証する手段とはなり得ない.また,それだけでは自分の能力を過信する医師が,その能力を越えた治療や,処置をすることを防ぐことはできないであろうし,さらにごく少数の医師ではあるが,患者に不必要な薬を処方したり,正当と認められない処置を行なうことを防止することにもならないであろう.
これらの特別な問題を処理する最善の道は,医学的専門技術活動が練達した識能の下に,適切に行なわれていることを,医師が責任を持つように助長してやることであり,それはすなわち,医療行為を医師仲間の審査と評価の下におくことである.患者およびしろうと達は自分達が受ける医療サービスの質を評価できる知識と訓練を持ち合わせていないので,医師の相互審査によって責任を持つことは特に重要である.
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