特集 環境衛生の動向
PCO—日本の現状と方向
鈴木 猛
1
1日本環境衛生センター第2事業部
pp.372-376
発行日 1969年7月15日
Published Date 1969/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203905
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PCOという言葉が日本で定着してきたのは,ごく最近のことである.したがって,耳なれない方が読者の中にも多いであろう.PCOとはPestControl Operatorの略語である。つまり,ねずみや害虫などのPestを駆除する専門業者のことをいう.こういった業者は,日本にも古くから存在した。そして,それに与えられた通俗名は "消毒業者" であった,しかし,ねずみや害虫の駆除を業とするものを消毒業者と称するのは,いかにもそぐわない."殺そ殺虫事業営業者" という名称も一時使われたが,長ったらしくて,なんとなくすっきりしない.やはり,PCOという言葉を定着させるのがいちばんよいように思う.なお,これはピー・シー・オーと発音する.
ところで,英語のペスト(Pest)という言葉は,きわあて広範囲の対象を含んでいる.いうまでもなく,細菌性伝染病のペストはドイツ語からきたもので,病気の方のペストは,英語ではPlague(プレイグ)という.英和辞典をひくと,Pestには,"害虫,厄介者,困り者,迷惑な物" という訳が与えられている.具体的には,有害な動物はもちろん,植物まで含んでいる,すなわち,害虫やねずみを始めとして,細菌,鳥や野生動物(それが害を与える場合に)から雑草まで含まれる.たいへん便利な言葉であり,また日本語ではこれに該当する言葉がない.
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