厚生だより
昭和44年度公衆衛生局関係予算
pp.179
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203843
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昭和44年度政府予算原案の編成作業は,1月7日の大蔵省原案の内示以来1週間の接渉経過を経て,1月14日閣議決定された.この政府原案における公衆衛生局関係予算は,43年度の786億円から44年度に866億円へと80億円,率にして10.2%の増加となっている.また,このうち検疫所および国立公衆衛生院,国立予防衛生研究所などの試験研究機関の予算額を除いた本省分のみでみると,43年度の764億円から44年度には840億円へと76億円,率にして9.9%の増加となっている.
これを事項別にみると,予算額では,結核医療費(394億円)が最高で,次いで精神衛生費(277億円),保健所費(69億円),原爆障害対策費(60億円),疾病予防費(20億円)などが主要なものとなっている.また,43年度に対する増加額でみると,精神衛生費(28億円)を最高に,次いで結核医療費(22億円),原爆障害対策費(16億円),保健所費(8億円)などが続いている.これらの予算を通じて特徴的なことは,医療費公費負担のための費用がきわめて大きなウェイトを占めていることである.ちなみに,結核予防,精神衛生,原爆医療の3つの公費負担制度についてみると,43年度の653億円から44年度には713億円へと60億円増加し,44年度の公衆衛生局関係予算のうちに占める割合も80%をこえるに至っている.
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