霞が関だより
昭和49年度厚生省予算について
Q
pp.94-95
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205335
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総需要抑制型の政府予算案
昭和49年度政府予算は現在参議院で審議中であるが,本誌がでる頃には審議が終了していると思われる.この政府予算案は昨年12月末に閣議決定をみたものであるが,予算の編成時前には,例の中東戦争の余波からアラブの石油戦略による世界のエネルギー危機というかつてみない異常な事態,さらにはそれに触発されて,すでに進んでいたインフレが狂乱とまでいわれるように加速化された.経済的・社会的に異常な雰囲気のなかで編成が行なわれたものである.
したがって,インフレ抑止という看板をかかげて,総需要抑制という措置が前面におしだされた予算案である点,とくに公共投資については減額ないし横ばいとなっている点にわが国のおかれているきびしい状態が反映されている.実際に一般会計予算総額は17兆0994億円で前年の14兆2840億円にくらべて2兆8153億円の増となっているが,割合にすると119.7%の増にとどまることになったのである.
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