特集 公衆衛生分野におけるコンピューターの活用
コンピューターで活用される公衆衛生活動の技法
岡田 晃
1
,
三宅 浩次
1
1札幌医大・公衆衛生学
pp.5-11
発行日 1969年1月15日
Published Date 1969/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203799
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はじめに
最近電子計算機(以下電算機と略記)が急激な速度で研究分野あるいは実践分野に導入され,数値計算から経営情報システムにいたるまで多方面で活用されている.
公衆衛生活動でも,これが利用された場合に,多大の効果を期待することができる.すなわち,もっともわかりやすいことからいえば,大量の環境情報とか個体・集団レベルでの生体情報などを取り扱う作業で,計算を速やかにかつ効率よく遂行することができ,それによって活動能率を高めることができるからである.また従来,公衆衛生活動という実践面で応用することができなかったような情報処理が可能となり,それに対応した調査法,解析法,管理法などが導入されて技術革新をもたらし,高次の公衆衛生活動の展開方式が開発されて新局面を迎えることが予測されるのである.この場合にコンピューターによる日常活動の自動化をももくろむことによって,飛躍的な高能率を約束してくれる.さらにまた,電算機のもつ記憶という機能を利用することによって,住民の個人ごとの資料が蓄積されてデータを集中管理することができ,きめの細かい活動を推進することもむずかしくはない.前述の自動化にも関連することであるが,パターン認識が可能となれば集団検診にも威力を発揮し,自動診断,自動効果判定なども可能となり,かくして公衆衛生活動の近代化が急速に進められるであろうことが期待される.
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