特集 地域保健活動と国民健康保険
地域活動
各地にみる国保の地域保健へのとりくみ
北海道の場合
国保と共同保健計画
渡辺 斉綱
1
1北海道国保連合会
pp.334-339
発行日 1967年6月15日
Published Date 1967/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203473
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はじめに
筆者は現在の職場にくる以前に,ある市に勤め,初代の国保課長をつとめたことがある。その時に考えたことは,保健婦をどのように動かせるか,ということであった。そのために赴任一週間目から事務上の診察を手がけた。事務上の診察とは,性別・年鹸別・地域別に被保険者の疾病状況を明らかにすることから始まって,医療費の構造的実態までも踏み込もうとしたものであった。この結果を230頁ばかりの本にまとめて,およそ協力していただきたいと思うところには全部配布した。このことは議会から積極的な支援を得られる足がかりをつかみ,理事者も真剣に聴取されるチャンスも生まれた。このことは適切な予算の計上額になってあらわれ,地区診断を要する地域,家庭訪問の重点地域,その他各地域ごとに行なうべき目標が明瞭になってきた。
いまから考えれば当り前のことであるが,10年前の国保では,こうしたことを行なうことはきわめて難事なことであった。
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