調査報告
妊婦の貧血と栄養摂取状況調査および事後指導
杉原 正造
1
,
岩泉 春夫
1
,
渡辺 シゲ
1
,
中村 佳代子
1
,
太田 妙子
,
頭本 藤雄
2
1川崎市中央保健所
2川崎市立衛生試験所
pp.170-176
発行日 1967年3月15日
Published Date 1967/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203431
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はじめに
妊婦の貧血は,妊娠,分娩,産褥の経過を阻害し,母体の健康をおびやかすだけでなく,胎児の発育にも大きな影響を与え,ときに母児の生命を危険におとしいれることもある。この妊婦貧血も,従来は妊婦の水血症,すなわち血液の稀釈によっておこる血液中の赤血球,および血色素の相対的な減少に起因する「生理的妊婦貧血」であるとみなされ,あまり重視されていなかった。
しかし,最近になって,全国27の医科大学が協力し,全国的な規模で行なわれた妊婦貧血研究会の貴重な研究や,さらに昭和40年3月,第17回日本産婦人科学会総会宿題報告「妊婦の貧血に関する研究1)」が,東京大学古谷博助教授によって発表されるに至って,本邦妊婦の貧血の実態や,具体的な対策が明らかにされるとともに,母子保健上の重要性が認められ重視されるようになった。
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